塗装工事の契約をスムーズに進めるためには、「見積書の質」こそが信頼を左右する重要な要素です。
同じ金額の見積りでも、「どこまでが作業範囲なのか」「塗料は何を使うのか」といった情報が明確かどうかで、お客様の印象は大きく変わります。
とはいえ、初めて独立したばかりの職人や小規模事業者の中には、「見積書の書き方がわからない」「どこまで記載すればいいのか不安」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、塗装業における見積書の基本から、信頼を得るための書き方のコツ・相場感・便利なツールまでを詳しく解説します。
「お客様から信頼される見積書を作成したい」「見積り作成をもっと効率化したい」という方は、ぜひ最後まで参考にしてください。
- 競合に負けて失注する
- 相見積もりで価格競争になってほとんど利益がでない
- 売り上げが全く増えない

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、塗装・リフォーム業界の営業支援で圧倒的な成果を創出してきた我々『番頭コンサル』へご相談ください。当社を利用した企業の平均売上増加率300%!戦略設計から営業を改善する具体的な施策やノウハウまで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。
そもそも見積書とは?なぜ必要?
そもそも見積書とは、工事の内容とそれにかかる費用を明確に示す書類のことです。
塗装業の場合、工事範囲・使用塗料・工程・金額などを細かく記載し、お客様に「この施工内容でこの金額です」と提示します。
ただし、見積書は単に価格を伝えるためのものではなく、お客様と業者の間でトラブルを防ぎ、信頼関係を築くための重要な書類でもあります。
また、営業成約率にも非常に大きな影響を及ぼします。
ここでは、見積書が必要な主な理由を2つの観点から見ていきましょう。
作業範囲を明確にするため
見積書は、工事の範囲や内容を明確に示すことで、お客様と施工業者の認識のズレを防ぐ役割を果たします。
たとえば、「外壁塗装一式」とだけ書かれていると、どの作業が「外壁塗装」の対象なのかがわかりません。そのため、あとになって「ここは見積りに入っていないと思っていた」「見積りとは別で費用が発生している」といったトラブルに発展するおそれがあります。
一方で、外壁・付帯部・屋根などの範囲や面積、塗装回数などを具体的に記載した見積書があれば、作業内容が明確になり、あとあとのトラブルを防ぐことが可能です。
見積書はお客様に値段を提示するだけでなく、双方の認識のズレを防ぐ役割があることを覚えておきましょう。
顧客に安心・納得したうえで依頼してもらうため
見積書は、お客様が安心・納得して契約してもらうための役割も担っています。
見積書の内容があいまいだと「本当にこの業者で大丈夫かな?」「ちゃんと工事してくれるのかな?」と不安に感じさせてしまい、スムーズな契約につながりません。
一方、価格の根拠や作業工程を細かく見積書で示せば「この業者はしっかり説明してくれる」と感じてもらいやすくなり、費用にも納得したうえでの契約につながるでしょう。
また、見積書が丁寧で整っていると、「仕事も丁寧にしてくれそう」という印象を与える効果もあります。
特に、初めて外壁塗装を依頼するお客様にとっては、わかりやすい見積書があることは大きな安心材料となるでしょう。
塗装業の見積書に必要な項目とは?
塗装業の見積書は、お客様が安心して依頼できるかどうかを左右する重要な資料です。見積り内容が明確であればあるほど信頼を得やすく、契約率アップにもつながります。
では、塗装業の見積書には具体的にどのような内容を記載すればいいのでしょうか?
ここでは、塗装業の見積書に最低限必要な項目として、以下7つを紹介します。
- 宛名
- 差出人の概要
- 見積書番号
- 発行日・有効期限
- 見積りの合計金額
- 見積りの内訳
- 備考欄
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
宛名
まずは、宛名としてお客様の正式名称を記載します。
個人の場合は「○○様」、法人の場合は「株式会社○○御中」と書くのが一般的です。
宛名を間違えると印象を損ねるため、正確に記載しましょう。
差出人の概要
次に、差出人の概要として自社の情報を明記します。
会社名(屋号)、住所、電話番号、担当者名、メールアドレスなどを記載し、「誰が作成した見積書なのか」を明確にすることが大切です。
信頼性を高めるため、会社印の押印も忘れずに行いましょう。
見積書番号
自社内で見積書を管理するために、見積書番号を記載しておきましょう。
特に、複数の顧客を同時に抱えている場合は、別の顧客と見積り内容を間違えてしまわないように番号をつけて管理を徹底してください。
また、顧客ごとに見積書番号を管理しておけば、リピートしてもらったときも過去の依頼内容を確認しやすく、やり取りがスムーズになるはずです。
発行日・有効期限
見積書を発行した日と、その見積りが有効な期間を記載しましょう。
特に資材費や人件費が変動する塗装業では、有効期限を設けることでトラブルを防止できます。通常は30日程度が目安です。
見積りの合計金額
見積書の見やすい位置に外壁塗装全体にかかる総額を記載します。
税込・税抜のどちらの金額かを明示し、消費税額を別途記載するのが望ましいです。
総額が各内訳の金額の合計金額になっているかをよく確認し、計算間違いがないように注意しましょう。
見積りの内訳と金額
総額の下部には、塗装箇所や工程など見積りの内訳を記載します。
「外壁」「屋根」「付帯部」などの項目別に整理し、どの部分にどれだけ費用がかかるのかを明確にしましょう。
また、塗料や足場などは単価・数量を記載し、「なぜその金額なのか?」を明確にすることが大切です。
備考欄
追加の説明や注意事項を記載する欄です。
たとえば「天候により工期が前後する可能性があります」「現地調査後に変更となる場合があります」など、補足を明記することで誤解を防げます。
顧客に安心・信頼される見積り作成方法
同じ金額の見積書でも、「この会社に任せたい」と思われるかどうかは書き方の丁寧さとわかりやすさで大きく変わります。
特に塗装工事は、一般の人にとって費用の根拠がわかりにくいため、透明性のある見積書を提示することが大切です。
そこでここでは、顧客に安心・納得してもらえる見積り作成のポイントを紹介します。
- 「一式」ではなく単価や数量、作業面積を詳しく書く
- 下塗り・中塗り・上塗りなど工程ごとに費用を記載する
- 塗料の製品名を記載する
- 足場代などの別途費用も詳しく記載する
- 見積書の有効期限を書く
- 保証期間を書く
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
「一式」ではなく単価や数量、作業面積を詳しく書く
見積書を作成する際は、「外壁塗装一式」などの曖昧な表現をできるだけ避けることが大切です。
一式表記ではお客様に作業の内訳が伝わらず、「何にいくらかかっているのか」が不明確になってしまいます。
あいまいな見積書はあとあとトラブルの原因にもなるため、「外壁塗装:150㎡ × 3,000円=450,000円」のように、作業面積・単価・数量などを具体的に明記しましょう。
詳細な内訳を示すことで、「適切な見積りをしている」「誠実な会社だ」という印象を与え、安心して契約してもらいやすくなります。
下塗り・中塗り・上塗りなど工程ごとに費用を記載する
外壁塗装では、基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3工程が行われます。そのため、見積書でも以下のように各工程ごとの費用を明確に記載しましょう。
- 下塗り:100㎡ × 1,000円=100,000円
- 中塗り:100㎡ × 1,200円=120,000円
- 上塗り:100㎡ × 1,200円=120,000円
このように工程ごとに費用を記載することで、工程の正確さと見積もりの透明性の両方を示せます。お客様にとっても「手抜き工事をしているのでは…?」といった不安を解消し、安心して依頼することにつながるでしょう。
ただし、塗料によっては3回塗りではなく、2回塗りが基本のものもあります。その場合は2工程の内訳を記載し、3回塗りがない理由を丁寧に説明しましょう。
塗料の製品名を記載する
見積書には、使用する塗料のメーカー名や製品名を具体的に記載しましょう。
たとえば「高耐久塗料使用」や「フッ素塗料使用」といった抽象的な表現だけでは、実際にどんな製品を使うのかが伝わらず、お客様に不安を与えてしまいます。
「日本ペイント パーフェクトトップ」や「関西ペイント アレスダイナミックTOP」など、実際の商品名を明示すれば、お客様が塗料の性能や耐用年数を自分で調べられるため、信頼性が高まります。
また、塗料のグレード(ウレタン・シリコン・フッ素など)も併記することで、価格差の理由もわかりやすく説明できるでしょう。
足場代などの別途費用も詳しく記載する
見積書には、足場代や高圧洗浄費、養生費などの別途費用も明確に記載することが大切です。
これらの費用を「その他工事代一式」などとまとめて記載してしまうと、あとから追加請求が発生した際にトラブルになるおそれがあります。
たとえば、
- 足場設置・撤去費:150㎡ × 800円=120,000円
- 高圧洗浄費:150㎡ × 200円=30,000円
といった形で、項目・数量・単価をセットで明記しましょう。
また、足場代は現場条件によって変動することがあるため、「現地調査後に最終確定」と補足しておくとより丁寧です。
こうした別途費用をあらかじめ開示しておくことで、「誠実に説明してくれる会社」という信頼感を与えられます。
見積書の有効期限を書く
見積書を作成する際は、必ず有効期限を記載しましょう。
有効期限を明示していないと、数か月後に「この見積りでお願いしたい」と依頼された際、材料費や人件費の高騰によって赤字になるリスクがあります。
お客様に検討期間を伝える意味でも、「発行日から30日以内」や「〇年〇月〇日まで有効」のように、いつまで有効な見積書なのかを明記してください。
なお、外壁塗装業の見積書の有効期限は自由に決めることができますが、一般的には30日程度とするケースが多いです。
保証期間を書く
見積書には、施工後の保証期間を必ず記載しましょう。
保証期間を明示することで、施工品質に対する自信を示せるだけでなく、お客様の安心感を大きく高める効果があります。
たとえば、「外壁塗装:5年保証」「屋根塗装:3年保証」など、部位ごとに保証年数を分けて記載するとより丁寧です。
また、塗膜の剥がれや変色などの保証の対象範囲を明確にすることも大切です。保証が適用されないケースも補足しておくと、後々のトラブルを防げるでしょう。
見積り作成のために知っておくべき塗装業の相場
正確な見積書を作成するには、塗装工事にかかる一般的な費用相場を把握しておくことが欠かせません。
相場を知らずに金額を提示すると、適正価格より高すぎて受注を逃したり、逆に安すぎて赤字になったりするリスクがあります。
ここでは、代表的な3つの費用項目「塗料代」「人件費」「足場代」のおおよその目安を見ていきましょう。
| 項目 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 塗料代 | アクリル塗料:1,200~1,600円/㎡ ウレタン塗料:1,800~2,000円/㎡ シリコン塗料:2,000~3,000円/㎡ | 塗料の耐久年数・機能性によって変動 |
| 人件費 | 13,000〜22,000円/人工 | 規模や塗装箇所の複雑さによって変動 |
| 足場代 | 700円~800円/㎡ | 組み立てや運搬、解体費用を含む |
なお、上記はあくまで一般的な相場であり、実際の費用は建物の状態・面積・立地条件によって変動します。
では、それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
塗料代
塗料の価格は種類によって大きく異なります。
一般的に、シリコン塗料は1㎡あたり2,000〜3,000円前後、アクリル塗料は1㎡あたり1,200~1,600円、ウレタン塗料は1,800~2,000円が目安です。
また、耐久年数の長い無機塗料では1㎡あたり3,500〜4,500円ほどになる場合もあります。
安価な塗料を選ぶと一時的にはコストを抑えられますが、再塗装までの周期が短くなり結果的に費用が高くつくケースもあるため、コストと耐久性のバランスを意識して提案することが重要です。
人件費
職人の人件費は、地域や職人の熟練度、施工内容によって差がありますが、1人工あたり13,000〜22,000円前後が相場です。
外壁や屋根の面積が広くなるほど作業日数が増えるため、人件費も比例して高くなります。
見積書には「日数×単価」で算出した金額を明記しておくことで、お客様に納得感を持ってもらいやすくなります。
足場代
足場代の相場は、1㎡あたり700〜800円程度が一般的です。
2階建て住宅の場合、総額で15〜25万円ほどかかることもあります。
足場は安全で確実な施工を行うために不可欠な費用であり、「安全性を確保するための必要経費」であることを丁寧に説明することが信頼につながります。
これらの相場を理解しておけば、根拠のある見積り提示ができ、価格だけでなく「誠実な対応」で選ばれる塗装業者を目指せるでしょう。
塗装業におすすめの見積り作成ツール2選
見積書は自社でテンプレートを用意して作成することも可能ですが、手書きやExcel管理では時間がかかるうえ、ミスが発生するリスクもあります。
そこで、見積書を正確かつスピーディーに作成するためには、専用ツールを活用するのが効率的です。
ここでは、塗装業の現場で特に人気の高い2つの見積り作成ツールを紹介します。
- AnyONE
- eペイント
それぞれのツールについて、以下で詳しく見ていきましょう。
AnyONE
「AnyONE(エニワン)」は、建築・リフォーム業向けに開発されたクラウド型の見積り・原価管理システムです。
最大の特徴は、原価・粗利・利益率を自動で計算してくれる機能。見積書を作成するだけで利益率を即時に確認できるため、採算の取れる見積りが簡単に作れます。
また、工事項目や単価設定をテンプレート化できるため、毎回ゼロから作成する手間が省け、作業時間を大幅に削減できます。エクセルからのコピペにも対応しているため「ITツールは苦手」という方もスムーズに使い始められるでしょう。
外壁塗装をはじめとする施工業者にとって、正確で早い見積りを実現できる頼れるツールといえます。
| 公式サイト | AnyONE |
|---|---|
| 料金 | 要問合せ |
eペイント(現地見積Pro)
「eペイント」は、塗装業界の現場作業を効率化するために開発された見積り・契約支援ツールです。
最大の特徴は、プレミアム会員になることで現地調査から写真撮影、見積書の作成、契約書の発行までをタブレットやスマートフォン1台で完結できる「現地見積Pro」を利用できる点。
紙の記録や事務所への持ち帰り作業が不要で、現場でのスピード対応が可能になります。
また、最大100種類の塗装仕様別見積りを自動生成できるのも大きなメリット。たとえば、「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」といった仕様を一括で比較提案できるため、その場で最適なプランを提示可能です。
さらに、クラウド共有によるチーム連携機能を搭載しており、営業担当・現場担当・事務スタッフがリアルタイムで最新データを共有できます。
見積りの正確性やスピード、提案力を高めつつ、組織全体の業務効率も大幅に改善できる点が魅力です。
| 公式サイト | eペイント |
|---|---|
| 料金 | 要問合せ |
まとめ
塗装業における見積書は、単なる金額提示の書類ではなく、お客様からの信頼を得るための重要な役割を担います。
そのため、項目を丁寧に記載し、作業内容や塗料の詳細、保証期間などを明確に示すことが何よりも大切です。
また、見積書作成の効率化には、専用ツールの活用が欠かせません。たとえば「AnyONE」や「eペイント」を使えば、現場での見積り作成・契約書発行がスムーズに行え、業務時間の短縮や受注率の向上にもつながるでしょう。
なお、「見積りをもっと早く・正確に作りたい」「顧客から信頼される資料を作りたい」という方は、外壁塗装専門の支援サービス「番頭コンサル」の活用もおすすめです。
実際の現場データや営業ノウハウに基づいたアドバイスで、見積り精度の向上から成約率アップまで、総合的なサポートが受けられます。
適切な見積書づくりは、安定した受注と高収益の第一歩です。ぜひこの記事を参考に、見積りの質とスピードを同時に高めていきましょう。
- 競合に負けて失注する
- 相見積もりで価格競争になってほとんど利益がでない
- 売り上げが全く増えない

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、塗装・リフォーム業界の営業支援で圧倒的な成果を創出してきた我々『番頭コンサル』へご相談ください。当社を利用した企業の平均売上増加率300%!戦略設計から営業を改善する具体的な施策やノウハウまで、ニーズに合わせた最適なプランで強力にサポートいたします。

